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頑張って!

ロザリウムのお授業がきっかけで、先ごろ、一冊の本ができました。

元々私はフランス文学が専門です。
日本の大学ではなかなか学ぶ機会が少ないフランス文学の中に、
『ラ・ファンテーヌ』という詩人がルイ14世時代に王太子のために書いた
人生訓とも言うべき“詩”があります。
日本では単なる子供向け【童話】のように受け取られていますが、
これを、ぜひフランス人的ものの考え方で皆様にお教えしたいと思い、
昨年、フランス文学出身の詩人である安部薫先生にお願いいたしました。
そして、この秋、先生が自費出版で、【ラ・フォンテーヌ寓話】というご本を出版されたのです。

私の周りには、素晴しい人生の師がたくさんいらっしゃって、
いつも私は助けていただいていますが、阿部先生もその一人。
さすが、フランス文学出身者らしく、美しく的確な言葉で、人に心を伝えられる方です。

その阿部先生が、今回のご本を送ってくださるとき、私や生徒に向けて送ってくださった
言葉・・・それが『BON COURAGE』
“ボン・クラージュ”と読みます。
直訳すれば<良い・勇気>
「頑張って!」というときに使う言葉です。

近頃躁うつ病や自殺など、人の精神がめげてしまう心の病が問題になっています。
そんな人には、「頑張って」といってはいけないと精神科医の先生はおっしゃいます。
確かに、日本語の「頑張って」という言葉は、
肩に力をいれて踏ん張って何かに立ち向かう・・・そんなイメージが沸いてきます。
つらい時、休みたい時にそんなことを言われたら、益々大変な重荷に感じてしまうでしょう。

しかし、フランス語で、そうしたときに掛けるこの『BON COURAGE』には、
そんな意味合いはありません。
『勇気を出して!』ということなのですから。
めげて下を向いてしまった視線・・・でも、勇気を出して上を見て御覧なさい!
今までと違う景色が目に入ってくるでしょう!
今まで出なかったその一歩を、勇気をもって出して御覧なさい!
“勇気”は、人生を乗り切る上で大切なキイワードです。

つらい時に人が掛けてくれる言葉の重みは、その人の一生を左右することもあります。
もし、今、あなたの隣につらい時をしのんでいる人がいたら・・・
「頑張って」ではなくて、「勇気を出して!」と声を掛けてあげませんか。
実は、ラ・フォンテーヌには、こうした人生を乗り越えてゆく知恵がたくさん詰まっているのです。
小さいときからこうした古典のよいものを、空で覚えるほどに家庭でも学校でも親しませて
人を育てている社会と、子供がファミコン・TVと大人社会の経済活動の餌食となっている社会。
おのずと、結果が見えてきます。

「人生うまくいかないから知恵が出る」
これは阿部先生のモットーであり、ラ・フォンテーヌの言わんとするところです。
古典:クラシックとは、古臭いもの辛気臭いものでなくて、
時代を超え文化を超えて素晴しいからこそ生き残ったものを言います。
阿部先生からのメッセージが素晴しかったので、皆様にもお送りしましょう。

「人生うまくいかないから知恵が出る」
勇気を出して、めげずに苦難を乗り切る・・。
それが人生の妙味というもの。
ひるんではダメ!
勇気を出せば必ず活路が開けます。
    BON COURAGE !



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